(Pronoun) They, those guys, those people
Define あった atta Meaning アッタ
Displaying results for あった (atta・あった・アッタ) – ryukyu
JLect: Japonic Languages and Dialects Database
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A dictionary of the Ryukyuan language
Results from the 沖縄語辞典 データ集 Okinawago jiten dēta-shū (Okinawan Language Dictionary Data Collection), published by the National Institute for Japanese Language and Linguistics, © CC BY 4.0.
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アッタ atta (?aQta) ⓪ 名
- 熱田。«地»参照。
アッター atta- (?aQta-) 接頭
- にわか・不意・突然の意を表わす接頭辞。?aQta?weekiNcu(にわか分限),?aQtabui(にわか雨)など。
アッター attaa (?aQtaa) ⓪ 名
- あの人たち。彼ら。
タッタ tatta (taQta) ① 副
- たびたび。~kuu'joo.たびたび来い。
- 次第に。~masi najuN.だんだんよくなる。
アッタミ attami (?aQtami) ⓪ 名
- 精肉。buta?aQtami(豚肉),Cinu?aQtami(牛肉),'jama?aQtami(猪の肉)など。
アッタニ attani (?aQtani) ① 副
- にわかに。不意に。いきなり。突然。~kusikara munu?jaQtaN.だしぬけに後ろから呼びかけられた。
アッタラ attara (?aQtara) ⓪ 副
- あたら。惜しくも。
アッタル attaru (?aQtaru) ⓪ 連体
- 惜しい。手離せない。~?uhu?iju hwiNgaci ?icasataN.惜しい大きな魚を逃がして残念だっだ。
ワッター wattaa ('waQtaa) ⓪ 名、接頭
- わたしたち。われら。われわれ。話し相手を含めた意も,含めない意もある一人称複数。
- わが家。わたしの家。~Nkai ?ikani.わたしの家へ行かないか。
- (接頭)わたしたちの。われわれの。'waQtaahara.(わたしたちの親類)
ヤッタイ yattai ('jaQtai) ① 名
- 八人。普通haciniNという。
アッタブイ attabui (?aQtabui) ① 名
- にわか雨。
アッタグトゥ attagutu (?aQtagutu) ⓪ 名
- 不意なこと。突然なできごと。~'jati caa see'jutasjaga'wakaraNtaN.突然のことでどうしたらよいかわからなかった。
マッタチ mattachi (maQtaci) ⓪ 名
- そっくり。~nicooN.まったくよく似ている。?aQcijoonu~'jaN.歩き方がそっくりだ。~numuN.よく似ている者。
マッタキー mattakii (maQtakii) ① 副
- 全部。まるまる。そっくり。maNtakiiともいう。~kwitaN.全部やった。
マッタクー mattakuu (maQtakuu) ⓪ 名
- 紙だこの一種。十字の骨に紙を張った,簡単な紙だこ。maQtaraaともいう。形がこうもりに似ているので,那覇ではkaabujaaという。
マッタラー mattaraa (maQtaraa) ⓪ 名
- つばめ。
- maQtakuuと同じ。
アッタバゾー attabazoo (?aQtabazoo) ① 名
- ちょっと見。また,ちょっと見た目にはよく見えるもの。
フィータッター fiitattaa (hwiitaQtaa) ⓪ 名
- 火ぶくれ。やけどで皮膚がふくれること。またその箇所。
アッタウジュミ atta ujumi (?aQta?uZumi) ① 名
- 偶然の機会。ひょんなきっかけ。
アッタカンゲー attakangee (?aQtakaNgee) ① 名
- にわかの考え。不意の思いつき。
Dictionary of the Practical Use of Okinawan
Results from the うちなーぐち活用辞典テキストデータベース Uchinaaguchi katsuyō jiten tekisuto dētabēsu (Dictionary of the Practical Use of Okinawan), by Shinsho Miyara, © CC BY-ND 3.0 DEED.
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あった〜
- 急
- っやーや っちゅぬ みみぬ すばんぢ あったあびーっし たまし ぬぎたっさー。
(おまえは人の耳の側で急に大声を出してびっくりしたよ) - なま やーんかい けーいんちどぅ そーたしが、あったぶいっし かさん ねーらん、じゃーふぇー そーっさー。
(今家に帰ろうとしていたが、急に雨が降って傘もない、困っているよ) - あいえーなー! ちゅーや あさから てぃーだ くゎらくゎら そーたくとぅ うーどぅから しんたくむんから ふかんかい ふちゃしが/ふちぇーしが、あったぶいっし なまから やーんかい むどぅりわどぅ ないる。
(しまった! 今日は朝から太陽がカンカン照っていたので、布団も洗濯物も外に干したが/干してあるが、急に雨が降ってこれから家に戻らないといけない) - あったわれー
(急な笑い) - 、あったなち
(急に泣くこと)
Example phrases
あった ばじょー
- ちらっと見の良さ、見かけ
- あれー あったばじょーどぅ やん どー。っんまー ぬてぃどぅ しらりーる、っちょー ふぃらてぃどぅ しらりーる。
(あいつは見かけだけだよ、馬は乗ってこそわかるし、人はつき合ってこそわかる) - あったばじょーや ちゅらさー あしが。
(みかけはきれいなのだが) - くぬ ないむのー まーさぎさー やたしが [かーぎぬぐとぅ まーさが あがやーんでぃ うむたしが]、あったばじょーどぅ やっさー。
(この果物はおいしそうだったが、見かけが良いだけだよ) - くぬ ないむのー ばじょーや ねーらんしが、かみーねー まーさん/かだくとぅ まーさたん どー。
(この果物は見かけの良さはないが、食べるとおいしい/食べたらおいしかったよ)
Example phrases
あったみ
- 精肉
- ぶた あったみ
(豚肉) - 、=っわーぬ なまじし
(豚の精肉) - ちぬ あったみ
(牛肉) - 、=うしぬ なまじし
(牛の精肉) - やま あったみ
(イノシシの肉)
Example phrases
*(参考)ふぃーじゃーぬ なまじし(山羊の精肉)
あったる
- 大事な、大切な
- あいゑーなー、あったる んーす してぃてー ならん どー。
(あれあれ、大切な味噌を捨ててはいけないよ) - あったる わらび をぅらん なしみてぃ なー。
(大事な子を失くしてしまってね) - あったる とぅじ ふぃんがちゃる ばー なー? じゃーふぇー そーさ やー。
(大事な妻を逃がしたのか。困ったことになったね) - あったる とぅじ をぅらん なしみてぃ なー?
(大事な妻を居なくしてしまったのか) - うんちぇーぬ ふぁーびけー とぅやーに ぐちぇー むる してぃてぃ、なまぬ わかむんぬちゃーや あったる かみむぬん むる してぃーん どー。
(空心菜の葉だけ取って茎をみんな捨てて、今時の若者たちは大切な食べ物をみんな捨ててしまうよ) - あったる じん ねーん なとーさ/うとぅち ねーらん どー/うとぅちぇーさ やー。
(大切なお金が無くなっているよ/を落としてしまっているよ/を落としてしまったんだね)
Example phrases
あったに
- 急に
⇒ あった〜〈急な〜〉 - あったに
(*ちゅーちゃん) - っちゅ うどぅるかち、たまし ぬぎーさ。
(急に人を驚かせて、びっくりするじゃないか、「*ちゅーちゃん」はここでは使えない) - くすい ぬだくとぅ、あったに まし なとーさ。
(薬を飲んだので急によくなっている) - あったあびーっし っちゅ どぅまんぐゎち なー?
(急に大声を出して人をびっくりさせてねえ) - むぬん あったがみっし っやーや やーさどぅ ある ゐ?
(急いだ食べ方をしてお前は腹でもすかせているのか) - くぬわらべー あったなちっし まーがな やみどぅ すがやー?
(この子は急に泣き出してどこが痛いのかねえ) - くまんかい ちぇー をぅたしが、あったに をぅらん なとーん。
(ここに来てはいたが、急に居なくなっている) - ゆーじゅ うびっんぢゃさーに あったに けーたん。
(用事を思い出して急に帰った)
Example phrases
*(参照)ちゅーちゃん(すぐに)
やま あったみ
- イノシシの肉
- 「いなむどぅち」や「やまあったみ」ちかてぃ ちゅくたしが、なまー っわーしし なとーん。
(「いなむどぅち」(肉汁の一種)
はイノシシの肉使って作ったが、現在は豚肉になっている)
Example phrases
*(参考)ちぬ あったみ(牛肉)、うしぬ しし(牛の肉)
Audio Database of Hatoma Lexicon
Results from the 鳩間方言 音声語彙データベース Hatoma hōgen onsei goi dētabēsu (The Audio Database of Hatoma Lexicon), by Shinichi Kajiku and Natsuko Nakagawa, © CC BY-SA 3.0 DEED
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アー [⸣ʔaː] (名)
- (植)粟。五穀の一つ。粘り気のある、ム⸢チアー[mu⸢ʧiʔaː](糯粟)と粘り気のない、サ⸢ク⸣アー[sḁ⸢ku⸣ʔaː](粳粟)があった。粟は水田耕作の出来ない島々でよく栽培された。
- ⸢アーヌ⸣イー
[⸢ʔaːnu⸣ʔiː]
(粟のご飯、粟の飯) - ⸢アー⸣ムチ
[⸢ʔaː⸣muʧi]
(粟餅) - ム⸢チアー
[mu⸢ʧiʔaː]
(糯粟) - サ⸢ク⸣アー
[sḁ⸢ku⸣ʔaː]
(粳粟) - サ⸢ク⸣マイナー ム⸢チアー⸣ マ⸢ザー⸣シティ バ⸢カス⸣カー イッ⸢ケナ⸣ ン⸢マー⸣ン
[sḁ⸢ku⸣mainaː mu⸢ʧiʔaː⸣ ma⸢ʣaː⸣ʃi̥ti ba⸢kasu⸣kaː ʔik⸢kena⸣ ʔm⸢maː⸣ŋ]
(粳米に糯粟を混ぜて炊くと非常に美味しい)
Example phrases
アカナー [ʔa⸢kanaː] (名)
- (動)魚の名。和名、バラフエダイ。⸢マイ⸣ズニ[⸢mai⸣ʣuni](前曽根)あたりで一本釣りをすると、体長60~70センチメートルのものが釣れた。この魚も痩せたもの食すると食中毒を起こすこともあった。
- ア⸢カナーン ヨーガリムヌ⸣ナー ⸣バスプソー ⸢ビー⸣ル ⸣ムヌン ブ⸢リブタ
[ʔa⸢kanaːŋ joːgarimunu⸣naː ⸣basupu̥soː ⸢biː⸣ru ⸣munum bu⸢ributa]
(アカナーも痩せたものには、時には食中毒を起こすものもいた<おりおった>)
Example phrases
アキタロー [ʔa⸢ki⸣taroː] (名)
- (動)魚の名。和名、マカジキ(体長約2、5メートル)。終戦後、尖閣列島の漁場で体長約2,5メートルの大物カジキ(ア⸢キ⸣タロー)を鳩間島のツ⸢キシェン[ʦu̥⸢kiʃeŋ](突船)が漁獲していた。イカ釣り漁の時期にイカの生餌で漁獲されることもあった。
- イ⸢ガメー⸣ラ ア⸢キ⸣タロー ⸢ホー⸣ソール プ⸢スン オーッ⸣タン
[ʔi⸢gameː⸣ra ʔa⸢ki⸣taroː ⸢hoː⸣soːru pu̥⸢suŋ ʔoːt⸣taŋ]
(烏賊釣り漁からマカジキを釣り上げられる人もおられた)
Example phrases
アザカイ [ʔa⸢ʣa⸣kai] (名)
- (動)シャコガイ科の二枚貝の貝殻。しゃこ貝の貝殻。貝殻は扇形で殻長20~30センチメートル。大きいものは、殻長90センチに達するものがあった。殻の縁は波形の鋭い歯状を形成し、殻表も波形をなす。身は、⸣ギラ[⸣gira]といい、美味である。サ⸢ギフチ⸣ル[sa⸢giɸuʧi⸣ru](のぼせに利く食材{EOS}利尿薬)として重宝されている。大型の貝は豚の飼葉桶に利用された。
- ウ⸢ブアザカイ⸣ヤ ⸢オー⸣ヌ ⸢イーッふァーシ⸣ムヌ ⸢ソーッ⸣タン
[ʔu⸢buʔaʣakai⸣ja ⸢ʔoː⸣nu ⸢ʔiːffaːʃi⸣munu ⸢soːt⸣taŋ]
(大きなシャコガイの貝殻<アザカイ>は豚の飼葉桶に使われた<された>) - 大型の貝殻はミ⸢ジクブ⸣サー
[mi⸢ʤikubu⸣saː]
(手水鉢{EOS}「水こぼし」の義か{EOS}下着洗い) - や豚舎のかいばおけ<飼葉桶>に利用された。 ⸢グスク⸣ヌ ナ⸢カ⸣ナー ウ⸢ブアザカイ⸣ヌ ⸢ペー⸣リ ブ⸢タン⸣ダー
[⸢gusu̥ku⸣nu na⸢ka⸣naː ʔu⸢buʔaʣakai⸣nu ⸢peː⸣ri bu⸢tan⸣daː]
(石垣の中に大きなシャコ貝の殻が入っていたよ)
Example phrases
アササー [ʔa⸢sasaː] (名)
- 朝茶。朝起きて飲む茶。老人は朝茶を飲むのが習慣であった。シ⸢トゥムティ⸣サー[ʃi̥⸢tumuti⸣saː](朝茶)というのが普通。
- ⸢ピーリ⸣サー
[⸢piːri⸣saː]
(冷えたお茶{EOS}愛情のないお茶の義) - ⸢ウイ⸣プソー ア⸢ササー⸣ ヌミティル ノー⸢ン ソー⸣ル
[⸢ʔui⸣pu̥soː ʔa⸢sasaː⸣ numitiru noː⸢n soː⸣ru]
(老人は朝茶を飲んでから何事もなさるのだ)
Example phrases
アシ [⸣ʔaʃi] (名)
- 昼食。「朝飯(あさ・いひ)」→ 「アシ」のように転訛したものか。⸣アシ[⸣ʔaʃi]は本来「朝食」の意であった。後に、⸢オ・ハン(お飯)」系統の沖縄方言「'om/-pa-r(n)i」(御飯)「語音翻訳」『海東諸国紀』、「飯、翁班尼」『琉球館訳語』、「みおばに おはに 美飯の事なり」『混効験集』が新しく導入されて、時を表す⸣アサ[⸣ʔasa](朝)と結びつき、ア⸢サ⸣ボン[ʔa⸢sa⸣boŋ](朝飯)となり、それが朝食の位置に定まると、古い「アシ」が「昼食」の意味を担うようになって、ア⸢サ⸣ボン(朝食)・アシ(昼食)・⸢ユー⸣ボン(夕食)の一日三食制度が確立したものと考えられる。
- ア⸢シ⸣ヌ ⸣スコール ⸢シー⸣ヨー
[ʔa⸢ʃi⸣nu ⸣su̥koːru ⸢ʃiː⸣joː]
(昼食の準備をしなさいよ)
Example phrases
アマシェー [ʔa⸢maʃeː] (名)
- 屋号。小浜真敏氏宅。東村のシ⸢ナカキ⸣ヤー[ʃi⸢nakaki⸣jaː](追い込み漁)の網元家であった。戦後はカツオ釣り漁船の初栄丸、眞福丸、晃徳丸によるカツオ節製造業を経営された。太平洋戦争中、鳩間島のような小さな島にも米軍戦闘機は爆撃を加えた。昭和20年2月16日の爆撃で、ア⸢マシェー[ʔa⸢maʃeː](小浜家)と寄合家は完全に破壊されたという『鳩間島追想』。
- ⸢マイ⸣ヌ イ⸢ク⸣サナー パ⸢トゥ⸣マナーテー ア⸢マシェートゥ⸣ ユ⸢レーヌ⸣ ヌ⸢バ⸣ルブザマテーナ バ⸢ク⸣ダン ウ⸢タサ⸣レータン [⸢mai⸣nu ʔi⸢ku⸣sanaː pḁ⸢tu⸣manateː ʔa⸢maʃeːtu⸣ ju⸢reːnu⸣ nu⸢ba⸣rubuʣamateːna ba⸢ku⸣daŋ ʔu⸢tasa⸣reːtaŋ] (先の戦争で、鳩間島では小浜家と寄合徹氏宅<野原叔父さんの家>に爆弾が落とされた)。ア⸢マシェーヌ⸣ イ⸢ゴー⸣ザザーテー[ʔa⸢maʃeːnu⸣ ʔi⸢goː⸣ʣaʣaːteː]ともいう。古老は⸢パイ⸣ネー[⸢pai⸣neː](屋敷名)ともいう。 ア⸢マシェーヌ ヤシ⸣ケー ム⸢カ⸣シェー ⸢パイ⸣ネーティル ア⸢ゾーッ⸣タツォー [ʔa⸢maʃeːnu jaʃi̥⸣keː mu⸢ka⸣ʃeː ⸢pai⸣neːtiru ʔa⸢ʣoːt⸣taʦoː] (小浜真敏氏宅の屋敷は、昔はパイネーと<ぞ>言われたそうだ)
Example phrases
アマダ [ʔa⸢ma⸣da] (名)
- あぶりこ(炙り子)。炙り焼き用の金網。焼き魚や焼き肉用に鉄線で約5センチ四方の網目を作り、全体的に縦横約50センチ大の金網に作ったもの。生の竹や生のススキ、生木の小枝を竈の上に縦横に渡して金網代用にすることがあった。⸣タク[⸣taku](蛸)やイ⸢ズ[ʔi⸢ʣu](魚)をア⸢マ⸣ダに載せて焙乾し保存食にしたのが ガ⸢シ⸣タク[ga⸢ʃi⸣taku](焙乾したタコ)、ガ⸢シ⸣イズ[ga⸢ʃi⸣iʣu](焙乾した魚)である。ガシイズやガシタクは、焙乾することによってうま味が出るといわれている。
- カ⸢マチヌ ウイ⸣ナ ア⸢マ⸣ダ ⸣カキティ ユ⸢ディ⸣タク ウ⸢サッ⸣キ シ⸣キティ ⸣ガスカー ン⸢マー⸣ン
[ka⸢maʧinu ʔui⸣naː ʔa⸢ma⸣da ⸣kakiti ju⸢di⸣taku ʔu⸢sak⸣kiti ⸣ʃikiti ⸣gasukaː ʔm⸢maː⸣ŋ]
(竈の上にアマダを掛けておいて茹でタコを載せて置いて焙乾すると美味しいよ)
Example phrases
アミダマ [ʔa⸢midama] (名)
- 飴玉。砂糖を煮詰めて球形、菱形等に作った菓子。戦後は鳩間島にも小売店ができて、飴玉等の駄菓子類が売られるようになった。広口のガラス瓶に、赤、白、黄色などのカラフルな菓子が詰まっていて、それを買ってもらうのが子供にとって楽しみであった。
- イ⸢サナケーラヌ⸣ シトー ヤー⸢ディン⸣ ア⸢ミダマバル カイヨーッ⸣タ
[ʔi⸢sanakeːranu⸣ ʃi̥toː jaː⸢diŋ⸣ ʔa⸢midamabaru kaijoːt⸣ta]
(石垣からのお土産<つと{EOS}苞>は、必ず飴玉を買われた)
Example phrases
アライクサイ [ʔa⸢raikusai] (名)
- 洗骨。洗骨の法事。いったん土葬して葬った遺骸を三年以後に掘り出して洗骨し、火葬して骨壺に収め、本墓に納骨すること。⸢シン⸣クチ[⸢ʃiŋ⸣kuʧi](洗骨)ともいうが、沖縄方言からの借用語であろう。「あらいこしらえ(洗い拵え)」の義。ク⸢サイ[ku̥⸢sai]は、「Coxiraye,uru,eta.コシラエ、ユル、エタ(拵・刷・調へる、ゆる、へた)整える、または、用意する」『邦訳日葡辞書』の転訛したもの。鳩間島では、昭和60年ごろまでは火葬をしなかったので、人が死ぬと⸢フインチバカ[⸢ɸuinʧibaka](岩を掘り抜いた墓)での風葬や埋葬にするのが一般的であった。そして埋葬後三年以上経つと骨を洗い清めて甕に納める洗骨の法事を執り行った。
- ⸣アッパター ⸣アブジター ⸢バー⸣ケー シ⸢マ⸣ナーティ ア⸢ライクサイヤー ソー⸣レーン
[⸣ʔappataː ⸣ʔabuʤitaː ⸢baː⸣keː ʃi⸢ma⸣naːti ʔa⸢raikusaijaː soː⸣reːŋ]
(お祖母さんやお祖父さんたちまでは、島で洗骨を済まされてある) - ⸣アッパー ア⸢ライクサイヤー⸣ イ⸢チ ソーッ⸣タカヤー
[⸣ʔappaː ʔa⸢raikusaijaː⸣ ʔi⸢ʧi soːt⸣takajaː]
(お祖母さんの洗骨の法事は何時されたのかねえ)
Example phrases
アライノン [ʔa⸢raʔinoŋ] (名)
- 新しい砂。新鮮な砂。人の足跡のない海岸の砂浜から運び上げた砂。正月の時には庭や門前に砂を敷きつめて祝った。これは子供らの仕事であった。
- ⸣ソンガチナーヤ ア⸢ライノンバ⸣ カ⸢タ⸣ミ ア⸢ギティ⸣ ミ⸢ナ⸣カナー シ⸢キティ ポーキ⸣ヌ ⸣ミー イ⸢ルタ⸠ダー
[⸣soŋgaʧinaːja ʔa⸢raʔinomba⸣ kḁ⸢ta⸣mi ʔa⸢giti ⸣ mi⸢na⸣kana ʃi̥⸢kiti poːki⸣nu ⸣miː ʔi⸢ruta⸠daː]
(正月には新しい砂を担ぎ揚げて、庭に敷き詰めて箒の目<箒で掃いて筋目>を入れたよ)
Example phrases
アラカーウガン [ʔa⸢ra⸣kaːʔugaŋ] (固)
- 鳩間島の水の神を祀る拝所(御願、お嶽)。ミ⸢ジムトゥ[mi⸢ʤimutu](水源)といわれている。ウ⸢ブ⸣マイ[ʔu⸢bu⸣mai](大前)とパ⸢カヤマ[pḁ⸢kajama](墓山<林>)の境にある。ヤ⸢ラブ[ja⸢rabu](テリハボク)の巨木やフ⸢クン[ɸu̥⸢kuŋ](福木)の大木が鬱蒼と生い茂る中に瓦葺の拝殿がある。拝殿の奥には、⸣ウボー[⸣ʔuboː](威部{EOS}香炉のある聖域)がある。ア⸢ザテーは⸢ヨー⸣カヤーから養子入って継いだ家である。⸢ヨー⸣カヤーの屋敷の東庭は大変セジ高い所で、ビ⸢チ⸣ル[bi⸢ʧi⸣ru](神霊の高い霊石の庭)がある。昔は、⸢ウイヌ⸣ウガン(友利御嶽)で祈願があった後、サカサ(司{EOS}神女)やティ⸢ジリ⸣ビー(男性神職者)たちが、⸢カンヌ⸣ミチ[⸢kannu⸣miʧi](神の道)を通って⸢ヨー⸣カヤーの東庭のビ⸢チ⸣ルに集まり、⸢カンアサ⸣ビ[⸢kaŋʔasa⸣bi](神遊び)をして、ア⸢マイヨーッ⸣タ[ʔa⸢maijoːt⸣ta](歓え誇られた)と伝えられている。現在の東里家は西村のトゥ⸢ニムトゥ[tu⸢nimutu](根家{EOS}根元)で、豊年祭のカ⸢シ⸣ラ<旗頭。雌>を保管する家である。東里家から分与されたと伝えられるカシラ<旗頭>を東村のカシラ<旗頭。雄>として、東村のトゥ⸢ニムトゥ(根家{EOS}友利家)に保管されている。新川御願の最後のティ⸢ジリ⸣ビー[t⸢iʤiri⸣biː](手摩り部{EOS}男性神職者)は東里清光氏であった。/ウフイラカ カミガナシ アミブシャヌ/カミイラカ タケバル アミブシャヌ/ミジムトゥヌ マブルシュー アミブシャヌ/ウブガーラヌ シキフチ アミブシャヌ/ウムルミジ タラショーリ アミブシャヌ/フダルミジバ タボラリヨー アミブシャヌ/(ア⸢マン⸣グイ<雨乞い歌>)と歌われている。
- サ⸢カサ [sa⸢kasa] (司{EOS}神女)は米盛クヤ氏(1960年代) ティ⸢ジリ⸣ビ [ti⸢ʤiri⸣bi] (てずりべ{EOS}男の神人)は東里清光氏が勤めておられた(平成10年頃))。伝承によると、ム⸢カ⸣シナー ⸢ペーレーヌ⸣ シ⸢ジキティ⸣ ス⸢クリ⸣ムヌン サ⸢リティ⸣ トゥ⸢ララン⸣シェンドゥ ⸢ヨー⸣カヤートゥ ア⸢ザテーヌ ターパタ⸣キナー カー⸢ニ⸣ ア⸢ミ⸣ヌ フイ⸢キー⸣ル パ⸢トゥ⸣マー ガ⸢シ⸣ ナ⸢ラン⸣シェンツォー ⸣アイ ヤ⸢レー⸣キ ⸢ウン⸣ネヌ ウ⸢ガンバ⸣ ブ⸢ラクヌ⸣ プ⸢スン⸣ ウ⸢ガ⸣モーリ ⸢ウン⸣ネナー ⸢アッ⸣タ カ⸢シ⸣ラン ⸣バキティ ⸢アンヌムラヌ⸣ トゥ⸢ムレー⸣ ム⸢タ⸣ソーッタ⸣ツォー[mu⸢ka⸣ʃinaː ⸢peːreːnu⸣ ʃi⸢ʤikiti⸣ su̥⸢kuri⸣munun tu⸢raraŋ⸣ʃendu ⸢joː⸣kajaːtu ʔa⸢ʣatenu taːpata⸣kina kaː⸢ni⸣ ʔa⸢mi⸣nu ɸui⸢kiː⸣ru pḁ⸢tu⸣maː ga⸢ʃi⸣ na⸢raŋ⸣ʃenʦoː ⸣ʔai ja⸢reː⸣ki ⸢ʔun⸣nenu ʔu⸢gam⸣ba bu⸢rakunu⸣ pu̥⸢suŋ⸣ ʔu⸢ga⸣moːri ⸢ʔun⸣nena ⸢ʔat⸣ta kḁ⸢ʃi⸣ram ⸣bakiti ⸢ʔannumuranu⸣ tu⸢mureːm⸣ mu⸢ta⸣soːttaʦoː](昔に旱魃が続いて作物も枯れて収穫出来なかったが、西原家と東里家の田畑にだけ雨が降ったので、鳩間島は餓死しなかったそうだ{EOS}それで、その家の御嶽を村の人も拝まれ、その家にあった旗頭も分けて東村の友利家に分与され<持たされ>たそうだ)(鳩間真吉氏談)
Example phrases
アラフニ [ʔa⸢ra⸣ɸuni] (名)
- 新造船。若年層は⸢シンゾー⸣シン[⸢ʃinʣoː⸣ʃiŋ](新造船)ともいう。カツオ漁船を石垣島の造船場で新造した。ス⸢ラウラ⸣シ[su⸢raʔura⸣ʃi](進水式)には餅を撒いて祝う習慣があった。
- ア⸢ラフニ⸣ヌ ス⸢ラウラシ⸣ヌ ⸣ピンマー コー⸢シェー⸣マーン ム⸢チン ポーローッ⸣タン
[ʔa⸢raɸuni⸣nu su⸢rauraʃi⸣nu ⸣pimmaː koː⸢ʃeː⸣maːm mu⸢ʧim poːroːt⸣taŋ]
(新造船の進水式の日には菓子も餅も撒かれた)
Example phrases
アンタハンタグヮーテー [⸢ʔantahantagwaː⸣teː] (名)
- 屋号。旧姓通事太郎氏(現小泉太郎氏)宅。鳩間村二班、フ⸢ク⸣マレー[ɸu̥⸢ku⸣mareː](友利家)の東にあった。長男の小泉勝氏は鳩間島出身の、最初の沖縄県行政書士会会長を勤め、那覇在鳩間郷友会会長として活躍した。
- ⸢ウン⸣ネーヤ マ⸢ナ⸣マー ⸢コイ⸣ズミティ ア⸢ゾール⸣ヌ ⸣キサー ⸢ハンタグヮー⸣テーティル ア⸢ゾーッタ⸣ル
[⸢ʔun⸣neːja ma⸢na⸣maː ⸢koi⸣ʣumiti ʔa⸢ʣoːru⸣nu ⸣ki̥saː ⸢hantagwaː⸣teːtiru ʔa⸢ʣoːtta⸣ru]
(その家は、今は小泉と言われるが、以前は⸢ハンタグヮー⸣テーといわれていたよ)
Example phrases
イガヌティー [ʔi⸢ganu⸣tiː] (名)
- 烏賊の2本の長い触手。「烏賊の手」の義。烏賊には6本の短い手と2本の長い触手がある。手には吸盤があり、餌に吸い付いて捕食する。天日干しした烏賊から、この長い触手を抜き取って、火に焙って食すると美味であった。
- イ⸢ガヌ ナー⸣ティー ⸣ヌイティ ヤ⸢キ⸣クー
[ʔi⸢ganu naː⸣tiː ⸣nuiti ja⸢ki⸣kuː]
(烏賊の長い触手を抜いて焙って<焼いて>来なさい)
Example phrases
イガメー [ʔi⸢gameː] (名)
- 烏賊釣り漁。鳩間島の烏賊釣り漁は、古くは明治中期頃に沖縄本島南部の糸満や久高島、奥武島より漁師が導入したものという。烏賊釣り漁の漁業語彙の中に糸満方言や久高方言などからの影響が多く認められる。烏賊釣り漁は鰹漁の終わる旧暦8月~9月にかけて行われる。二人一組で⸣イダフニ[ʔidaɸuni](サバニ、杉板で接いで作った板船)に乗り込み、出漁する。出漁の際には鰹船に引かれて出漁する場合と帆をかけて出漁する場合があった。漁場は、島の西北~東北に広がる、島より10~20キロの沖合いであった。夜間操業であるのでイ⸢ガ⸣ランプ[ʔi⸢ga⸣rampu](烏賊ランプ{EOS}集魚灯)を灯して漁をした。島のナ⸢カン⸣ムリ[na⸢kam⸣muri](中岡)には、灯台に火を点灯して漁船に島の位置を知らせた。
- イ⸢ガメーヌ⸣ フネー ゴ⸢ジブカラー⸣ラ ⸣ンジティ テ⸢ダ⸣ヌ イ⸢リルトゥ アー⸣シ イ⸢ガ⸣ランプー ⸣シキティ イ⸢ガ ホー⸣ソーリ ⸢タイロー⸣ シ⸢ティ ナーツァ⸣ シ⸢トゥム⸣ティ ⸢パイ⸣サ ⸢カイ⸣ローッタ
[ʔi⸢gameːnu⸣ ɸuneː go⸢ʤibukaraː⸣ra ⸣ʔnʤiti ti⸢da⸣nu ʔi⸢rirutu ʔaː⸣ʃi ʔi⸢ga⸣rampuː ⸣ʃi̥kiti ʔi⸢ga hoː⸣soːri ⸢tairoː⸣ ʃi̥⸢ti naːʦa⸣ ʃi̥⸢tumu⸣ti ⸢pai⸣sa ⸢kai⸣roːtta]
(烏賊漁の舟は午後五時頃から出漁して日没と同時にイ⸢ガ⸣ランプ{SqBr}ʔi⸢ga⸣rampu{/SqBr}<烏賊ランプ{EOS}集魚灯>を灯して烏賊を釣り、大漁して翌日朝早く島に帰られた)
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イザイビー [ʔi⸢ʣaibiː] (名)
- 漁り火。「漁火」の義。夜の⸢スー⸣チズー[⸢suː⸣ʧiʣuː](潮干時)を見計らって枯れたススキや笹竹を束ねて松明にし、それを持って蛸を獲ったり、貝を獲ったりする際に用いる。夜の潮干狩りに用いる松明。烏賊釣り船の灯す集魚灯の灯り。烏賊釣り船のイ⸢ザイビ[ʔi⸢ʣaibiː]は鳩間島の遥か北の闇の洋上に点々として見え、幻想的な夜景であった。夜のイ⸢ソーシプス[ʔi⸢soːʃipusu](潮干狩りする人<磯する人>)のイ⸢ザイビー(漁火)も漁りする人の足元をゆらゆらと揺らめかしながら移動していく光景も幻想的であった。
- ⸢スー⸣チズー ア⸢タル⸣カー ピ⸢ザキ⸣ヌ マーラ⸢バー⸣キ イ⸢ザイビーヤ⸣ ミ⸢ラリ⸣ブタ
[⸢suː⸣ʧiʣuː ʔa⸢taru⸣kaː pi⸢ʣaki⸣nu maːra⸢baː⸣ki ʔi⸢ʣaibiːja⸣ mi⸢rari⸣buta]
(干潮時<潮干時>に当たると島の北西の干瀬の先まで潮干狩りの漁火が見えていた)
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イザテー [ʔi⸢ʣa⸣teː] (名)
- 屋号。西花賀栄氏宅。西原章吉氏宅の西隣の家。村外れの家。その西隣に⸢ガンダルゴー⸣ヤー[⸢gandarugoː⸣jaː](龕小屋)があった。イ⸢ザ⸣テー[ʔi⸢ʣa⸣teː]はイ⸢リ[ʔi⸢ri](西)・⸣サトゥ[⸣sḁtu](里)・⸣ヤー[⸣jaː](家)→ [ʔiriʣatujaː] → [ʔi⸢ʣa⸣teː](西花家<西里家>)のように音韻変化して生成された合成語であろう。
- ⸢ウンタイラ⸣ブレーヌ ⸢イー⸣ネール イ⸢ザ⸣テー ⸢ヤッタ
[⸢ʔuntaʔira⸣bureːnu ⸢ʔiː⸣neːru ʔi⸢ʣa⸣teː ⸢jatta]
(西原家<上西原家>の西隣が西花賀栄氏宅<西里家>だった)
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イシドゥール [ʔi⸢ʃiduːru] (名)
- 石灯籠。石製の灯籠。石垣方言からの借用語。石垣島の名家の庭や寺にあった。鳩間島にはなかった。
- イ⸢シドゥーロー⸣ イ⸢サナキヌ⸣ ム⸢トゥ⸣ヤーンドレー ティ⸢ラン⸣ドーレーナル ⸢アッ⸣タツォー
[ʔi⸢ʃiduːroː⸣ ʔi⸢sanakinu⸣ mu⸢tu⸣jaːndoreː ti⸢ran⸣doːreːnaru ⸢ʔat⸣taʦoː]
(石灯籠は石垣島の本家筋など、お寺などにあったそうだ)
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イシヌシー [ʔi⸢ʃinu⸣ʃiː] (名)
- 鍾乳石。「石の乳」の義。石垣方言からの借用語か。鳩間島のパ⸢チンガカー[pa⸢ʧiŋgakaː](降り井戸の名)やピ⸢ナイサキヌガマ[pi⸢naisakinugama](ピナイ崎のガマ<鍾乳洞>)の中にあった。
- ピ⸢ナイサキヌガマヌ⸣ ウ⸢ク⸣ナー イ⸢シヌシー⸣ヌ ムイ⸢ベー⸣タン
[pi⸢naisakinugamanu⸣ ʔu⸢ku⸣naː ʔi⸢ʃinuʃiː⸣nu mui⸢beː⸣taŋ]
(ピナイ崎のガマ<鍾乳洞>の奥には鍾乳石が生えていた)